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退職を伝えるのが早すぎるのはNG?適切な時期や曜日とは

退職を伝える事を考えるイメージ スタートアップ
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厚生労働省によれば、退職者の離職理由でポジティブなものはほとんどありません。

多くは仕事に興味が持てない、条件や人間関係が悪いなどがあります。脱サラ起業を控えている場合、比較的ポジティブな理由として伝えることができる一方で、

  • 正直に伝えていいのだろうか?
  • どんなタイミングで伝えたらいいのか
  • 適切な曜日や時間はあるのか

など不安に感じることもあるかもしれません。

本記事では、退職に関するさまざまな側面に焦点を当て、適切な退職の申し出時期から、早めに退職を申し出る際のメリットとデメリット、そして退職理由の伝え方と正直さの重要性について詳しく掘り下げていきます。また、退職を切り出せない場合にどのように対処するかについてもご紹介します。

退職に関する様々な疑問や悩みに対する答えを見つけ、円満な退職を実現しましょう。

この記事を書いた人
佐々木大輔

テクニカルサポート経験を活かして、IT系の記事を中心に活動するフリーランスライター。サラリーマンをしながら副業でライターを3年経験したあとに脱サラ。現在はWeb記事だけでなく、ホワイトペーパーや展示会資料などBtoBコンテンツの制作を行っている。

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退職を申し出る適切な時期とは?

適切な時期のイメージ

退職を考えた時、その決断をどのタイミングで上司や人事部に伝えるかは、退職プロセスの成功に直結します。適切な時期に退職の意向を伝えることで、自身のキャリアにおける次のステップへスムーズに移行するだけでなく、現職場との関係を良好に保ちながら去ることが可能になります。

申告時期は1~3ヶ月前が一般的

退職の意向を伝える最適なタイミングは、一般的に退職希望日の1~3ヶ月前が理想的とされています。理由は、後任者の探索や業務の引き継ぎ、さらには必要に応じた新しい人材の教育に十分な時間を確保するためです。

例えば、退職希望を2ヶ月前に伝えたことで、スムーズに業務引き継ぎが可能となり、後任者も適切に業務を習得する時間が確保できます。また、自身の仕事に対して、責任を持って締めくくることができ、円満な退職とすることができます。

就業規則で退職の申告時期を確認する

就業規則には退職に関する記載が必ずあるものです。法令よりも就業規則を優先しなければならない決まりはありません。あくまで会社としてのお願いに近いです。

ただし、円満退社を目指している場合は、記載されている時期で問題がなければ、就業規則を尊重すると良いでしょう。しかし、就業規則に記載のある時期よりも短い申告だからと言って、申し出を拒否してしまうと会社は労働基準法違反に問われる可能性が高いでしょう。※法令上は最低2週間前まで

民法による申告時期は最低2週間前まで

法的には、退職の申し入れは最低でも2週間前には行う必要がありますが、これはあくまで最低限の期間です。円満な退職を目指す場合、この期間よりも早めの申告をおすすめします。

具体的な時期はその人の置かれた状況や立場によって変わりますが、業務の引き継ぎなど自分の退職後にトラブルが発生しない程度の時間があるとよいでしょう。

繁忙期を避けることが望ましい

退職を申し出る際は、会社の繁忙期を避けることをおすすめします。決算時期や顧客のニーズが高く販売が忙しい時期などは退職を伝えるタイミングとしては不適切です。退職の相談をしたくても、上司や自分が忙しく落ち着いて話すことはできません。

起業後の事業の予定から、どうしても早めに話す必要がある場合は次のタイミングで相談しましょう。

退職の意思を上司に伝えるタイミングと曜日

退職の際には、自分だけでなく上司と落ち着いて相談することができるタイミングを見計らう必要があります。おすすめは次の5つのタイミングです。

  • 勤務時間中
  • 終業後
  • 定期面談のとき
  • 始業前
  • 休憩中

勤務時間中に退職の意向を伝える場合、業務の合間に短い時間を見つけることが大切です。この時、プライバシーが守られる静かな場所で話をすることが望ましいです。

終業後は、一日の業務が終わり、落ち着いた環境でじっくりと話す時間が取れるため、個人的な話題に触れやすいです。

定期面談の際に退職の意向を伝えることも一つの方法です。面談は通常、業務の評価やキャリアの相談などを目的としているため、退職に関する話題を自然に取り入れることができます。

始業前は朝の同僚が少ない時間に相談することができます。相談後に仕事が始まるため、引き止めのリスクも避けられます。

休憩中に話を切り出すことも可能です。上司とランチ中に相談する人もいるようで、話しやすいタイミングかもしれません。

退職の意向を伝える際には、曜日の選択も重要です。おすすめは水曜日か木曜日です。週初めは業務が立て込んでいることが多く、週末にかけては人々が疲れているため、週の中頃に話をすることで、双方が比較的リラックスした状態で対話を行うことができます。

早めに退職を申し出るメリット

次に早めに退職を申し出るメリットを解説します。

十分な期間を確保して業務引継ぎができる

早期に退職の意向を伝える最大のメリットは、後任者への丁寧な業務の引き継ぎをできることです。

退職意向を早めに伝えることで

  • 業務内容の詳細な説明
  • 必要なドキュメントの準備
  • 実務の指導など

引継ぎに必要なすべての作業を計画的に、かつ後任者のペースに合わせて進めることができます。

特に、取引先への挨拶も余裕を持って取り組むことができ、退職後に与える企業への影響も小さくなります。

有給休暇の計画的な取得がしやすい

退職を早めに伝えることによるメリットとして、有給休暇の計画的な取得がしやすいことが挙げられます。業務の引継ぎが計画的に進められることで、長期休暇の取得も実現可能となり、次のキャリアステップへの準備期間として最大限利用できます。

後任者の採用がしやすい

自身へのメリットではなく、会社へのメリットですが、退職意向を早めに伝えることで、後任者の採用プロセスにも余裕ができます。

通常、採用プロセスには早くても2週間、長いと2ヶ月以上の時間がかかります。そのため、早めの退職の申し出があると、企業は採用候補者を見つけられるだけでなく、研修をするための期間まで捻出できるようになります。

円満な退職につながりやすい

早期に退職を申し出ることで、円満な退職が実現しやすくなります。準備期間が十分にあることで、引継ぎや有給休暇の消化、後任者の採用などがスムーズに進み、職場との関係を良好に保つことが容易になります。

早めに退職の意思を伝え、計画的に準備を進めることで、職場からの理解と協力を得やすくなります。これにより、感謝の気持ちを持って職場を去ることができ、将来的にもポジティブな関係を維持することが可能になります。

早めに退職を申し出るデメリット

メリットがある一方、デメリットもあります。

引き止められる可能性が高まる

早めに退職を申し出る際、引き止められる可能性が高まります。上司は部下の退職が自身の評価につながっている場合、保身のために慰留させようとする可能性が考えられます。その上、退職の申し出の後に急いでいる様子でなければ、「引き止められそうだ」と上司に感じさせてしまうかもしれません。

また、引き止められる期間が長くなることから、ストレスとなる可能性があります。もしストレスを感じるほどの交渉がされてしまった場合には、上司のさらに上役や社内相談窓口、会社と契約している産業医などに相談するとよいでしょう。それでも改善が見られない、相談する先がないという場合には労働基準監督署への相談を検討してください。

長期間、会社に残ることが難しくなる場合もある

退職について上司に相談したあとに、部署や会社内で発表されることが一般的です。上司に相談しただけの段階では、まだ自分が退職することを知っている人はほとんどいません。しかし、発表後は同僚や他部署の人の知るところとなるため、居づらさを感じてしまうことがあります。

また、職場内で「どうせ退職する人」と思われてしまうことで、職場での扱いが変わることがあります。仲間外れのような、期待されていないような感覚になり、ストレスに感じてしまうこともあるでしょう。

退職理由の伝え方と正直さの重要性

真実を話す事の重要性のイメージ

退職の理由を聞かれた際には、できる限り正直に伝えるようにしましょう。理由は相手が受け入れられる理由でないと引き止められてしまうためです。起業することが理由の場合は個人的な熱意をしっかり伝える事が重要です。また、引っ越しや事業の事情などがあれば会社側も引き止めにくくなります。実際、退職理由を正直に伝えた人は67.2%という調査もあるため、会社に理解してもらうための手段として有用と言えます。

もちろんプライベートな理由で話したくない、話せない場合は伝えられる範囲で伝えてください。

退職を切り出せない場合の対処法

退職を切り出せない場合、転職エージェントに相談することが一つの解決策です。転職エージェントはキャリアアドバイザーと呼ばれる転職支援のプロフェッショナルで、退職できないときの事案にも精通しています。起業を控えている場合、気が引けることもあるかと思いますが、アドバイスを聞いてみると解決するかもしれません。

また、専門家への相談が難しい場合には、最終手段として「退職代行」サービスを利用することをおすすめします。退職代行サービスを利用すれば、会社側と直接やり取りしたくない、引き継ぎをしたくない、何がなんでもすぐに辞めたいと言う場合に弁護士や専門業者が本人の代わりに会社へ退職の意思を伝えくれます。

もし退職願を受け取ってもらえなかったら

いざ退職願を提出しようとした際、上司がそれを受け取ってくれない場合があります。それでも会社都合で退職させないことはできません。

民法第627条には、期間の定めのない雇用の解約申入れに関する規定が含まれており、それによれば、雇用期間が特に定められていない場合、いつでも解約の申し入れが可能です。

もし上司が退職願を受け取ってくれない場合でも、できることはたくさんあります。直属の上司が受け取ってくれない場合には、さらに上の管理職や人事部に退職願を提出することは可能です。

さらに、それでも受け取ってもらえない場合には、退職願を郵送で送付し、証跡を残すことができます。法的には、退職権を行使する権利があるため、最終的には退職することができます。

退職後に必要になる手続き

本記事では退職後にフリーランスになる人、起業家になる人を想定して、退職後に必要になる手続きとして代表的なものを解説します。

健康保険

これまで会社の健康保険組合に加入していた人は、国民健康保険に加入するか、これまでの健康保険組合の任意継続をするかを選択する必要があります。ほとんどの場合は任意継続をしたほうが保険料が安く済みますが、これまでの収入や扶養家族の有無等によって状況は変わるため、健康保険組合やハローワークに相談してみるとよいでしょう。

また、任意継続する場合には以下のような要件があります。

  • 退職日(資格喪失日の前日)までに継続して2ヶ月以上の被保険者期間があること
  • 資格喪失日から20日以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出すること

任意継続の手続きが完了しても、手元に新しい保険証が届くまでに時間が空いてしまいます。新しい保険証が届く前に今までの保険証は返却する必要があり、保険証がない期間が発生してしまいます。その期間に病院を受診した場合は一時的に全額負担となってしまいますが、後日申請することで、差額分は返還されます。

国民年金

脱サラ後はこれまでの厚生年金から国民年金の対象に変わります。取り扱いが自動で切り替わることはありません。そのため、各都道府県、市区町村の年金事務所に行き、手続きをする必要があります。

退職日から14日以内に行う必要があり、必要な書類等としては年金手帳や離職票、身分証明書、印鑑などがあります。忘れずに持っていきましょう。

開業届

開業届は所得が発生する新たな事業であることを税務署へ通知するための書類です。提出期限は開業後1ヶ月以内で、自身の納税地を管轄する税務署へ届ける必要があります。提出期限が過ぎても特に罰則はありませんが、早めに出す方がよいでしょう。

まとめ

脱サラをしようと思ったら避けて通れないのが「退職」です。本記事では、適切な退職の申し出時期や早めに退職を申し出る際のメリット、デメリット、そして退職理由の伝え方と正直さの重要性について詳しく解説しました。さらに、退職を切り出せない場合の対処法についても紹介しました。退職後の精神的な安定のためにも、円満な退職を実現する手助けになれば幸いです。

どうしても退職の意志を伝えにくい場合には、ご紹介した退職代行サービスを使ってみてはいかがでしょうか?