「仕事を辞めたいけれど自分で伝えるのが怖い」
「上司に退職の意思を伝えたけれど、なかなか受け入れてもらえない」
このようなお悩みを持っていて、退職代行の利用を検討していませんか?
実際、退職をしたくてもなかなか切り出せなかったり、勤務先に受理してもらえなかったりするケースは少なくありません。
そこでおすすめしたいのが『退職代行サービス』の利用です。
退職代行サービスは、自分の代わりに退職代行会社が退職の意思を会社に伝え、退職手続きをサポートしてくれます。
自分で退職の意思を伝えられない方や、勤務先に出勤するのも苦痛な方におすすめできるサービスです。
しかし、退職代行と一概にいっても、サービス内容は代行会社によって大きく異なります。
そこで本記事では、実際に退職代行会社で勤務経験のある筆者が、退職代行のおすすめランキングを紹介します。
退職に悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考に自分に合った退職代行サービスを見つけてください。
おすすめの退職代行サービス10選
過去に退職代行会社で働いていた筆者がおすすめする退職代行サービスは、以下のとおりです。
社名 | 料金 (税込) | 交渉権※1 | 追加料金 | 支払い方法 | 相談方法 | 無料相談 | 返金保証 | 対応時間 | 運営会社 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
退職代行モームリ | 22,000円 (アルバイトは12,000円) | △ 労働組合提携 | なし | クレジットカード 銀行振込 コンビニ決済 後払い(手数料3,000円) | メール LINE 電話 来店による対面 | あり | あり | 24時間 | 株式会社アルバトロス |
退職代行Jobs | 27,000円 +労働組合費2,000円 | △ 労働組合提携 | なし | クレジットカード 銀行振込 コンビニ決済 現金翌月払い | メール LINE 電話 | あり | あり | 24時間 | 株式会社アレス |
辞めるんです | 27,000円 | △ 労働組合提携 | なし | クレジットカード 銀行振込 | LINE | あり ※何度でも可 | あり | 24時間 | LENIS Entertainment株式会社 |
退職代行OITOMA | 24,000円 | ◯ 労働組合運営 | なし | クレジットカード 銀行振込 後払い(手数料3,000円) | メール LINE | あり | あり | 24時間 | 株式会社5core |
退職代行saraba | 24,000円 | ◯ 労働組合運営 | なし | クレジットカード | メール LINE 電話 | あり | あり | 24時間 | 株式会社スムリエ |
退職代行TORIKESHI | 25,000円 | ◯ 労働組合運営 | なし | クレジットカード 銀行振込 コンビニ決済 モバイル決済 | メール LINE | あり | あり | 24時間 | 日本労働産業ユニオン |
リーガルジャパン | 25,000円 +労働組合費2,000円 | ◯ 労働組合運営 | なし | クレジットカード 銀行振込 モバイル決済 | LINE | あり | あり | 24時間 | 日本労働産業ユニオン |
退職代行ガーディアン | 29,800円 | ◯ 労働組合運営 | なし | クレジットカード 銀行振込 | LINE 電話 | あり | なし | 24時間 ※LINEの場合 | 東京労働経済組合 |
退職110番 | 43,800円 | ◎ 弁護士 | あり 各種請求に対する 回収額の20%※1 | クレジットカード | メール | なし | あり | 平日9~18時 ※問合せはいつでも可 | 弁護士法人あおば |
弁護士法人みやび | 27,500〜 77,000円 | ◎ 弁護士 | あり 各種請求に対する 回収額の20%※2 | 銀行振込 | メール LINE | あり | なし | 24時間 | 弁護士法人みやび |
※1 会社側と代理交渉する為に必要な法的権利の所有有無(労働組合は団体交渉権。弁護士は代理権を持って法的に認められている)
※2 未払金、慰謝料、退職金などの請求
それぞれの特徴を詳しく説明します。
退職代行モームリ:業界初の来店して相談できる代行会社
『退職代行モームリ』は業界初の依頼者が事務所に来店して対面で無料相談できる退職代行会社です。
また、目の前で退職代行手続きを実施するオプションもあります。
ただし、基本料金が8,000円増額されます。
とはいえ、実績は申し分なく、退職成功率100%を継続しているうえ、2名の顧問弁護士が監修し、労働組合も提携しているので安心です。
万が一退職できなかった場合でも、全額返金保証があります。
退職代行会社がどのように手続きをするのか見届けたい人は、退職代行モームリが適しています。
退職代行jobs:弁護士監修×労働組合の安心サポート
『退職代行jobs』は弁護士監修かつ労働組合とも連携している退職代行会社です。
それにもかかわらず、追加料金は一切なしで27,000円の安さを誇っています。
現金後払いや、勤務先との交渉もできるので安心して依頼することが可能です。
さらに、退職後に求人サイトを紹介して転職活動をフォローしてくれたり、社宅や寮からの引越しサポートなどさまざまなサービスが付帯しています。
退職代行jobsは退職後のことまで考えてくれる退職代行会社です。
辞めるんです:審査なしで後払いができる
『辞めるんです』は退職が決まってから料金の支払いができる後払いシステムを審査なしで利用できる退職代行サービスです。
すぐ退職したいのに手元にお金がない人でも、問題なく利用できます。
また、労働組合と連携しており、これまでに10,000件以上の退職代行実績を持ち、成功率は100%を誇っています。
未払い賃金や有給消化の交渉、即日退職も可能です。
退職代行OITOMA:無制限で無料相談できる
『退職代行OITOMA』は無料相談を無制限にできる、労働組合が運営している退職代行会社です。
相談方法もメールやLINE、電話など豊富にあります。
また、手数料4,000円を支払えば、申し込みから最長1ヶ月までの後払いが可能です。
今すぐに料金を支払えなくて、支払いを遅らせたい方にも便利です。
退職できなかった場合の全額返金保証もあり、即日退職にも対応しています。
とりあえず退職代行について相談してみたい方におすすめです。
退職代行SARABA:大手メディア取材多数
『退職代行SARABA』は日経新聞や報道ステーションなど大手メディアに多数掲載されている労働組合運営の退職代行会社です。
労働組合運営なので有給消化などの交渉も可能かつ、郵送で手続きが済むので顔を見せずに退職ができます。
また、退職できなかった場合の全額返金保証はもちろん、即日退職にも対応しているので安心です。
追加料金やオプション費用も一切かかりません。
\大手メディアで多数掲載/
退職代行TORIKESHI:LINEのみで退職代行が可能
『退職代行TORIKESHI』はLINEのみで退職代行が完結するのが特徴です。
また、弁護士監修・労働組合運営なので、勤務先との交渉も行ってくれます。
さらに、無料で転職支援を実施してくれたり、給付金の申請に関する提携サービスを紹介してくれたりと、退職後のサポートもしてくれます。
料金は正社員・アルバイト・パート問わず一律25,000円で、追加料金は一切かかりません。
退職代行TORIKESHIは面倒なやりとりをせず、LINEで退職したい人におすすめです。
リーガルジャパン:24時間相談可能&退職後のフォローが充実
『リーガルジャパン』は労働組合が運営している退職代行サービスです。
有給消化や賃金などの交渉ができ、即日退職のサポートもしています。
また、24時間オペレーターが待機しており、いつでもLINEで相談が可能です。
すぐに相談したいという方にとっては非常に便利でしょう。
退職代行だけでなく、転職支援や失業保険の紹介など手厚いフォローもあるので、退職後のサポートが必要な方にもおすすめです。
退職代行ガーディアン:法適合の合同労働組合が運営
『退職代行ガーディアン』は、東京都労働委員会に認証されている法適合の合同労働組合が運営する退職代行会社です。
法律に則って交渉を着実に進めるため、過去に辞められなかったケースは一度もありません。
即日退職サポートもあり、全国対応を365日行っています。
確実に勤務先を辞めたいという人におすすめです。
退職110番:労働問題が専門の弁護士法人が運営
『退職110番』は、労働問題を専門に取り扱う弁護士法人が運営している退職代行サービスです。
弁護士が対応するため、勤務先側の不当な退職引き留めなどを法的に退けることができ、確実に退職ができます。
未払い金請求や慰謝料請求などの各種請求・交渉にも完全に対応しています。
弁護士法人運営だからこその細やかなサービスが受けられる退職代行会社です。
やり取りは基本的にオンラインのみで行っているため、直接面談をする必要もありません。
また、万が一、退職できなかった場合は全額返金を保証しているので非常に安心です。
弁護士法人みやび:安心安全の弁護士法人が運営
『弁護士法人みやび』は弁護士法人が運営している退職代行会社です。
民間業者や労働組合が運営している会社では対応ができない損害賠償交渉や訴訟などの対応も任せられるのが特長となっています。
費用は、通常プランだと55,000円~とやや割高ですが、特に回収するべきものがないシンプルな退職代行だけで良いなら、税込27,500円とかなり割安です。
また、全プラン退職成功後も無期限でアフターフォローがついているのも心強いポイントです。
訴訟を脅し文句にする勤務先や大きなトラブルに発展しそうな退職であれば、弁護士法人が運営している退職代行会社を利用するのがおすすめです。
退職代行会社の選び方
実際に退職代行サービスを利用する際は、なにを基準に選ぶべきか悩みますよね。
特に以下のポイントを重要視して、退職代行会社を選ぶのがおすすめです。
・弁護士や労働組合が運営しているか
・実績や評判は十分か
・手続きはスムーズか
・料金は相場より高すぎないか
現在、退職代行会社は数多く存在しているので、料金やネームバリューだけでなく、自分の状況に対応できるサービスかどうかしっかり吟味して判断しましょう。
弁護士や労働組合が運営しているか
確実かつ安全に退職したいなら、弁護士もしくは労働組合が運営している退職代行会社に依頼するのがおすすめです。
弁護士運営の退職代行の場合、必ずしも法人である必要はなく、個人の弁護士事務所でも問題ありません。
弁護士が運営していれば、退職の意思伝達以外にも会社との交渉や損害賠償請求の対応などが可能です。
慰謝料まで請求したい場合や勤務先と法的なトラブルに発展しそうなケースの場合は、弁護士運営の退職代行会社を選びましょう。
「弁護士監修」や「顧問弁護士が関わっている会社」も多くありますが、これらの場合は「弁護士運営」とは異なるので注意が必要です。
勤務先との交渉や損害賠償請求の対応は弁護士運営である必要があるため、上記のような弁護士監修や顧問弁護士が関わっているだけの会社の場合「非弁行為」となり違法となってしまいます。
ただし、弁護士運営でない場合でも、「労働組合運営」であれば違法ではありません。
また、労働組合が運営している退職代行会社の場合は、損害賠償交渉や訴訟を除き、退職日の調整や未払い給料や残業代の請求などの交渉の対応が可能です。
退職手続きの代行に加えて、勤務先との各種交渉を依頼したい場合におすすめできます。
ただし、あくまで団体交渉権を得て、会社側と対等な交渉を代行するのみのため、弁護士のように法的に強い交渉力を発揮できるわけではありません。
また、労働組合提携の代行会社も多く見られますが、「提携」の場合は団体交渉権が付与されている会社でないと交渉などはできません。
退職の意思を伝えるだけなら民間の退職会社でも問題ないですが、万が一のトラブルを避けるために、上記のような退職代行会社を選んでおけば安心です。
なお、本記事で紹介している退職代行会社は、すべて弁護士運営か労働組合運営(提携)となります。
実績や評判は十分か
実際に退職代行サービスを利用する前に、実績や過去の利用者の口コミを参考にしましょう。
実績がほとんどなかったり、あまりに口コミが悪かったりする会社は、利用後のトラブルが発生する可能性も考えられます。
実績は退職代行会社の公式サイトなどに掲載されています。
口コミは以下のような方法で確認可能です。
・SNSやYahoo!知恵袋などの評判を見る
・「(退職代行会社名) 口コミ」などで検索する
・Googleマップの口コミを見る
少なくとも利用前に評判は必ず確認しましょう。
公式サイトには基本的に良い内容しか書かれていないため、上記のような手段で口コミ・評判をみたほうが実態をより正確に把握できます。
手続きはスムーズか
退職代行サービスの流れや手続きがスムーズかどうかも大切です。
スムーズに手続きが進まないと、すぐに勤務先を辞められないかもしれません。
手続きのスムーズさを確認するには、以下のような項目をチェックしましょう。
・退職代行会社とのやり取り回数や種類
・退職代行会社の営業時間
・決済方法
上記をあらかじめ確認してから退職代行会社を選ぶことで、スムーズに手続きが済むかわかります。
料金は相場より高すぎないか
他社と比較して料金が高すぎないかも、確認すべきポイントです。
なお、退職代行サービスの料金は、運営元によって対応可能なサービス範囲が異なるため会社ごとに差はあります。
そのため弁護士が関わっている退職代行会社同士や民間企業同士で比べるというように、運営元の種類をあわせて比較するのがおすすめです。
また、料金を比較する際は下記を必ず確認しましょう。
・基本の利用料金
・追加料金の有無
・サービス内容の過不足がないか
ただし、相場より一見安い会社があっても、サービスに不足があったり、別途オプションなどの追加料金が発生したりする場合があります。
料金とあわせて、サービス内容や対応範囲が十分かも加味しながら検討して依頼先を決めましょう。
退職代行サービスの流れ
実際に依頼する退職代行会社を選定したら、どのような流れでサービスを受けられるのでしょうか。
一般的な流れは以下のとおりです。
1.無料相談
2.料金の支払い
3.退職代行会社と打ち合わせ
4.退職代行会社が勤務先へ連絡
5.勤務先からの退職承認の報告を待つ
6.退職手続き
大まかな流れを把握していると、退職までの手続きをスムーズに進められるのでそれぞれ説明します。
STEP1:無料相談
まずは退職代行会社の公式サイトなどから無料相談の申し込みを行います。
会社によって相談方法の種類はさまざまありますが、メール・LINE・電話での相談が基本です。
最近では、会話が苦手な方のためにメールのみで完結できる退職代行会社も増えています。
無料相談の際に話す内容は、一般的に以下のとおりです。
・勤務先の会社名
・勤務期間
・雇用形態
・個人情報
・退職にあたっての希望
・勤務先とのトラブルなどの事前共有
上記の内容は、どの退職代行会社でも聞かれることが多いので、事前にまとめておくとスムーズです。
STEP2:料金の支払い
無料相談後、料金の支払いを行います。
支払い方法は退職代行会社によって異なりますが、基本的には先払いで、銀行振込やクレジットカード払いが利用可能です。
会社によっては、モバイル決済やコンビニ支払いが可能なケースがあります。
すぐに料金を支払えない場合は、退職成立後に支払う「あと払い」ができる会社を選ぶと良いでしょう。
STEP3:退職代行会社と打ち合わせ
料金の支払いを終えたら、退職代行会社と今後の退職手続きに関する具体的な打ち合わせが行われます。
主な打ち合わせ内容は下記のとおりです。
・退職希望日
・退職理由
・請求したい書類
・有給休暇取得の希望
・会社からの貸与物の有無
・社内の私物回収の有無
・退職金の有無
上記の内容を事前に打ち合わせし、実際に退職手続きを進めてもらいます。
スムーズに進行してもらえるように、なるべく具体的かつ明確に情報を伝えましょう。
STEP4:退職代行会社が勤務先へ連絡
打ち合わせの内容をもとに、退職代行会社が勤務先に退職の意思を連絡します。
基本的に退職希望日に伝えてもらえますので、特にこちら側がなにかする必要はありません。
STEP5:勤務先からの退職承認の報告を待つ
退職意思が勤務先に伝えられて退職が承認されると、退職代行会社から報告がきます。
退職代行会社の指示に従って、退職届の作成や貸与物の返却などを行いましょう。
STEP6:退職手続き
必要書類の提出や貸与物の返却が完了し、勤務先から離職票などの書類が送られてきたら無事に退職手続き完了です。
万が一、退職書類が届かない場合は、退職代行会社に確認してみましょう。
依頼しているサービス内容によっては、退職後の転職サポートや失業保険の手続き対応をしてくれる場合があります。
そのようなサービスを依頼しているなら、退職代行会社の案内に沿って随時手続きを進めてください。
退職代行会社の業務内容
依頼を受けた退職代行会社側は、どのような業務を行うのでしょうか。
退職代行会社の主な業務内容のうち、大半を占めるのがヒアリングです。
例えば、以下のような内容を聞きます。
・勤務先を辞めたい理由
・勤務先に対する悩み
・どのように退職を進めていきたいか
これらの内容を丁寧に聞き、スムーズに退職手続きを進めてくれます。
ヒアリングを終えたら、依頼者の勤務先へ退職の意思を伝えます。
その後、依頼者に連絡して、必要書類の作成や貸与物・勤務先にある私物の処理などの説明を行ってくれるので案内に従いましょう。
また、プランによっては、退職後の転職支援や引っ越し、各種給付金の申請などのサポートをしてくれる会社もあります。
なお、代行会社の運営元によって多少の違いがあるので、細かく解説します。
退職代行の運営元の種類
退職代行会社の運営元は大きく分けて以下の3種類あり、それぞれ対応可能な業務範囲に違いがあります。
具体的には以下のとおりです。
業務範囲 | 弁護士運営 | 労働組合運営 | 民間業者 |
---|---|---|---|
退職意思の伝達 | 〇 | 〇 | 〇 |
勤務先との交渉 | 〇 | 〇 | × |
訴訟の対応 | 〇 | × | × |
それぞれについて詳しく説明します。
弁護士運営
弁護士が運営している退職代行会社の場合、退職意思の伝達や勤務先との交渉だけでなく、訴訟に発展しそうな場合でも対応してくれます。
一般的に弁護士運営の退職代行会社で、退職代行手続き以外に対応可能な内容は以下のとおりです。
・有給休暇取得の交渉
・退職日の調整
・離職票や源泉徴収票の請求
・金銭面の請求(退職金や未払い給与、残業代など)
・訴訟や裁判などの対応(損害賠償や慰謝料の請求 など)
・裁判の代理人
ただし、弁護士事務所や弁護士法人などの弁護士運営以外の表記には十分ご注意ください。
「弁護士運営」の場合は交渉や請求が可能ですが、「弁護士監修」や「弁護士提携」などの場合、業務を行うのは弁護士ではなく民間業者のスタッフのため、交渉や請求はできず対応可能な業務内容も異なります。
勤務先との交渉や損害賠償請求などの法的なやり取りは弁護士運営である必要があるため、上記のように弁護士運営以外の表記の会社の場合は注意が必要です。
労働組合運営
労働組合運営や提携の退職代行会社の場合、訴訟や裁判などの対応はできませんが、団体交渉権があるため以下のような勤務先との各種交渉が可能です。
・有給休暇の取得
・退職日の交渉
・金銭面の請求(退職金や未払い給与、残業代など)
なお、民間業者の退職代行会社でも、労働組合と連携していれば勤務先との交渉をしてくれます。
訴訟や裁判などの大きなトラブルの可能性が低い場合は、労働組合が運営または提携している退職代行会社でも問題ないでしょう。
民間業者
民間業者の退職代行サービスの場合、団体交渉権がない非弁業者であるため基本的には退職意思の伝達のみの対応となります。
その代わり、料金は安価な場合が多いです。
トラブルに発展する可能性がほぼなく、勤務先への退職連絡のみを依頼したい方であれば民間業者で問題ありません。
なお、民間業者によっては顧問弁護士がいたり、労働組合と連携していたりする場合もあるので、サービス内容をしっかり確認して選ぶようにしましょう。
退職代行サービスの料金相場
退職代行サービスの料金相場は25,000〜100,000円前後です。
なお、運営元ごとに相場が異なります。
運営元 | 料金相場 |
---|---|
弁護士運営 | 50,000~100,000円 |
労働組合運営 | 25,000~30,000円 |
民間業者 | 10,000~50,000円 |
弁護士が運営している退職代行サービスは訴訟の対応や慰謝料の請求など法的な部分まで対応してくれるため、料金は比較的高めです。
一方、民間業者の場合は基本的に退職意思の伝達のみのサポートのため、料金は割安に抑えられます。
労働組合運営は勤務先との交渉までしてくれるものの、法的な対応はしてくれないので、料金は運営元が弁護士運営より安くて民間業者より高い傾向です。
なお、運営元が同じでもサポート内容や依頼者の雇用形態によっても差が生じます。
例えば、依頼者がアルバイト・パートの場合、通常料金より安く設定している代行会社もあります。
また、代行会社によっては、退職後の転職支援や退職に伴う引っ越しサポートなどアフターフォローが充実している場合もあります。
一概に安さで退職代行会社を選ぶのではなく、サポート内容も含めてチェックしましょう。
退職代行を使うメリット
そもそも退職代行サービスを使うメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
退職手続きを代わりに行ってくれるのはもちろん、以下のようなメリットもあります。
・勤務先をすぐに辞められる
・勤務先の人に会わずに退職手続きができる
・面倒なやり取りがない
それぞれのメリットについて詳しく解説していきましょう。
勤務先をすぐに辞められる
退職代行サービスを利用すると、勤務先を最短即日で辞められます。
一般的に退職するには、就業規則などの規定に基づいて退職希望日の2週間〜1ヶ月前に退職の意思を伝えなければいけません。
仮に退職の意思を伝えたとしても、上司や人事の説得や引き止めによってなかなか退職できないというケースも多いです。
しかし、退職代行サービスを利用すれば、自ら勤務先に退職の意思を直接伝える必要がないのでスムーズに退職手続きを進められます。
なお、即日で退職したいという方は、即日退職対応のサービスを用意している会社を利用しましょう。
勤務先の人に会わずに退職手続きができる
退職代行サービスを利用すれば、勤務先に出社することなく退職できます。
退職手続きを出社して進めていると、同僚や上司、人事などの目が気になったり、話しかけられたりされてネガティブな気持ちになってしまうことがあります。
また、勤務先からハラスメントを受けていたり、精神的苦痛によってできる限り出社したくない人もいるでしょう。
そのような場合に退職代行サービスを利用すれば、代行会社が勤務先との間に入って退職手続きを進めてくれるので、出社せずにストレスなく会社を辞められます。
勤務先の人と会ったり、話したりする必要すらありません。
面倒なやり取りがない
退職代行サービスを利用すれば、代行会社が勤務先と退職手続きを進めてくれるため、勤務先と面倒なやり取りをする必要がありません。
退職意思を伝えてくれるのはもちろん、代行会社によっては有給消化や退職金、未払い残業代の請求など金銭関係の交渉まですべて対応してくれます。
退職届の作成や貸与物の返却など最低限行うべき内容はありますが、かなり少ない手間で退職することができます。
退職代行を使うデメリット
一方、退職代行サービスには、以下のようなデメリットがあります。
・決して安くない費用がかかる
・勤務先からの連絡を確実に止められるわけではない
・勤務先に多少の迷惑はかかる
上記を納得したうえで退職代行サービスを利用しましょう。
決して安くない料金がかかる
退職代行サービスを利用するには少なくとも数万円の料金がかかり、場合によっては10万円近くになることがあります。
自ら退職の意思を伝えて手続きを行う場合は発生しない費用なので、あらかじめお金を用意しておく必要があります。
なお、今すぐお金が用意できない場合は、退職日が決まってから料金を支払うことができる退職代行会社を選びましょう。
勤務先からの連絡を確実に止められるわけではない
退職代行サービスを利用したからといって、勤務先からの連絡を必ず止められるわけではありません。
なぜなら法的に勤務先から退職者への連絡が禁じられているわけではないからです。
とはいえ、勤務先からの連絡を控えてもらうように、退職者代行会社から依頼してもらうことは可能です。
退職後に勤務先から連絡されるのを極力避けたい方は、代行会社にあらかじめ伝えておきましょう。
なお、万が一連絡がきたとしても、無理に電話に出る必要はありません。
勤務先に多少の迷惑はかかる
退職代行サービスを利用する場合、退職前に本来行う後任者への引き継ぎなどを十分に行わないので、勤務先に多少の迷惑はかかります。
勤務先側からすると、退職代行会社から急に依頼主の退職意思を伝えられるため、後任者の準備や業務の進行状況も把握できていない可能性があります。
結果、同僚や上司などが状況確認や対処をする必要が出てしまい迷惑がかかってしまうのです。
退職代行を利用して自らが引き継ぎを行えない場合でも、できれば代行会社を通して最低限の伝達事項を共有するとよいでしょう。
また、突然の退職は同僚やお世話になった上司に挨拶なく辞める形になるため、円満退社にはなりにくいのが現実です。
退職代行サービスの利用は、勤務先から良い印象は基本的に受けられないと認識しておきましょう。
退職代行会社を使う時の注意点
退職代行会社に依頼する際は、以下の点に十分注意してください。
・退職代行を利用する前に絶対にバックレはしない
・最終出社日までに私物を整理しておく
・サービスが利用できない場合がある
・悪徳業者による詐欺被害に遭う恐れがある
依頼してから後悔しないように、それぞれ解説します。
退職代行を利用する前に絶対にバックレはしない
退職代行サービスの利用を検討しているなら、今すぐに勤務先を辞めたい方や今後は一切出社したくない方もいるのではないでしょうか。
しかし、退職代行を利用する前に無断欠勤やバックレは絶対にしないようにしましょう。
これらの行為は就業規則違反になる可能性が高く、その場合は退職代行を利用してもスムーズに退職できなくなったり、最悪の場合は懲戒解雇になったりします。
他にも、連絡が取れない日々が続くと上司が家まで来たり、親や警察に連絡がいったりする可能性さえあります。
退職代行会社が手続きをするまで、バックレはしないようにしてください。
最終出社日までに私物を整理しておく
退職代行を利用して勤務先を退職する場合、最終出社日までに私物を整理しておきましょう。
なぜなら勤務先に一切出社せずに退職手続きが完了するからです。
もし私物を残して退職した場合は、勤務先から郵送してもらったり、代行会社を介して受け取ったりするのが一般的です。
ただし、問題なく私物をすべて送ってもらえる保証はなく、郵送漏れが発生する場合や返却までに時間を要する可能性があります。
勤務先からの不要な連絡を減らしてトラブルを最小限にするためにも、退職前に私物の整理を行っておきましょう。
サービスが利用できない場合がある
まれに退職代行サービスが利用できない場合があります。
例えば、公務員や有期雇用の派遣社員の場合は民間企業と規則が異なるため、退職代行の利用が難しい場合があります。
依頼する前に自分の勤務先の就業規則を確認しておくとよいでしょう。
悪徳業者による詐欺被害に遭う恐れがある
退職代行を偽る悪徳業者が存在するので、十分に注意してください。
これは退職代行会社が悪徳なわけではなく、「退職代行を名乗った詐欺グループ」による犯罪を指します。
ネット上で『退職代行 詐欺』などで検索すると、悪徳業者の手口や事例が出てくるので確認しておきましょう。
例えば、以下のようなものがあります。
・料金の支払い後連絡が取れなくなる
・いつの間にか多額のオプション料金が追加される
・入手した個人情報を売買される
上記のような詐欺や悪質な業者による被害に遭わないようにするために、信頼できる退職代行会社を選ぶのが大切です。
実績や良い評判があり、運営元がきちんと公表されている代行会社であれば、詐欺や悪質である可能性は極めて低いです。
また、サービス内容を事前に確認しておけば、多額のオプション料金を追加される恐れもありません。
もちろん弁護士や労働組合が運営していれば、なお安心です。
退職代行サービスに関するよくある質問
退職代行サービスに関する、よくある質問を紹介していきます。
退職代行を利用するのは良くないこと?
退職代行を利用すること自体は、決して悪いことではありません。
ハラスメントや職場のいじめなどで悩んでいたり、辞めたいと伝えることで状況が悪化したりする場合、自ら退職の意思を伝えるのはなかなか難しいでしょう。
退職代行に対してマイナスなイメージを持つ方もいますが、精神的・身体的苦痛から自分を守る大事な手段のひとつです。
とはいえ、突然の退職によって勤務先に少なからず迷惑がかかるのも事実です。
退職前に簡易的な引き継ぎ資料を作成しておくなどの配慮があるとよいでしょう。
退職代行は違法ではない?
退職代行サービスは決して違法ではありません。
安心して利用してください。
なお、退職代行会社を装った詐欺会社が存在するので、依頼する代行会社は入念に検討するようにしましょう。
退職代行は正社員でなくても利用可能?
退職代行はアルバイトやパートの方でも利用可能です。
代行会社によっては、アルバイトやパートの方向けの割引プランが用意されているケースもあります。
ただし、有期雇用の派遣社員など期間を定めた契約を結んでいる場合、契約期間中は退職できない場合があります。
この場合、退職代行サービスを利用しても退職ができないケースがあるので注意してください。
退職代行の利用を転職先に知られることはある?
退職代行の利用が転職先に知られることは基本的にありません。
個人情報保護法の「第三者提供の制限※」により、企業は本人の同意なく前職の調査をすることを禁止されているからです。
※第三者提供の制限 第二十七条 個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。 |
もちろん退職代行会社も個人情報の保護を順守しているので、他者に伝わることはまずないでしょう。
ただし、退職代行を利用した話を同僚や友人、SNSなどで話してしまうと、うわさ話で広がってしまう恐れがあるので注意が必要です。
退職代行を利用しても給料の未払い金は支払われる?
退職代行を利用しても、給料の未払い金は問題なく支払われます。
これは労働基準法第24条に「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定められているので、法的にも給料をもらう権利があります。
どのような退職理由・退職方法であれ、本来受け取るべき給料は変わらず受け取れるので安心してください。
まとめ
本記事では、おすすめの退職代行会社を紹介しつつ、選び方や利用するメリット・デメリットなどを解説しました。
退職代行のサービスは運営元により異なります。
退職の意思を伝えたいだけの場合や金銭関係の交渉や請求が必要な場合、裁判や訴訟の対応が必要な場合など、状況に応じて代行会社やプランを適切に選ぶ必要があります。
ぜひ本記事を参考に、最適な退職代行会社を選んで、スムーズに次のステップへ進みましょう。
また、ほとんどの代行会社は無料相談を行っているので、不安な方は一度気軽に連絡してみるのをおすすめします。