コロナ禍を経て非対面での商談やミーティングが増えてきましたが、まだまだビジネスの場では名刺は重要なコミュニケーションツールとなっています。
QRコード入りの名刺を作ることで、名刺だけでは伝えきれない情報を伝えられたり、自身の持つサイトにアクセスしてもらいやすくなったり、アクセス数の明確化ができたりとさまざまなメリットがあります。
とはいえ、どのような手順でQRコード入りの名刺を作ればいいのかわからないという方もいらっしゃるかと思います。
そこでこの記事では、名刺にQRコードを入れる事のメリットやデメリットから、その作り方まで詳しく解説します。
- 名刺を作るべきか迷っている
- 元々持っている名刺が古くなったのでQRコードを入れてデザインを刷新したい
など、名刺について悩んでいる方はぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。
QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
QRコード入り名刺のメリット
名刺だけでは載せきれない情報を伝えられる
名刺は限られた情報しか載せられませんが、名刺にQRコードを入れることによってリンク先で自身のプロフィールサイトやSNSアカウントまで相手に見せることが可能です。
たくさんの情報を伝えられるため、相手に自身を印象づけ、自分のことを覚えてもらいやすくなります。
名刺自体を遊び心のあるデザインにしたり、リンク先のサイトを凝ったりしてユニークなデザインにすることで、会話のきっかけにもなります。
会話の中で名刺について触れてもらうことで、自分自身を自然な流れで紹介できます。
URLを記載するよりサイトにアクセスしてもらいやすい
URLが書かれていても、わざわざ入力するのは少し面倒ですよね。
QRコードならスマートフォンをかざすだけですぐに読み取れるので、URLを載せるだけより圧倒的にアクセスしてもらいやすくなります。
また、名刺を渡すだけで終わってしまう関係にならず、アクセスしたあとに売上に繋がったり、SNSアカウントで相互フォローになったりと継続的な関係になれる可能性も上がるでしょう。
オンラインの集客の数値化がしやすい
こちらは少し上級者向けですがQRコードのURLにアクセスデータ解析用のパラメータをつけておくことで、どのくらいの人がアクセスしてくれたのか明確に数値化することができます。
特に自分のサービスをもっていて売上に繋げたい方や、アクセス数のデータ分析をしたい方におすすめです。
Googleアナリティクスなどを使えば無料で設定できます。簡単な設定方法を後ほど解説します。
QRコード入り名刺のデメリット
コストがかかる
QRコードのリンク先を作成したり、QRコードを適切に読み取れるようにするためにデザイン構成や用紙の選定に気をつけたりしなければなりません。このように、QRコードを入れない場合に比べて、コストがかかることを念頭に置きましょう。
デザインの幅が狭まる
縦横ともに最低12mmプラス余白2~3mm分の面積が必要です。
それよりも小さくしてしまうと読み込めない可能性が上がってしまいます。
QRコードが面積をとってしまうことで、自身の印象を表現するためのデザイン面積が少なくなり、デザインの幅が狭まってしまいます。
QRコードをどこに配置するのか検討し、名前や肩書きよりも主張しすぎないようにすることも重要です。
昨今は生成AIを使ってイラストとQRコードを違和感なく組み合わせる技術も生まれています。デザインに凝りたい場合は調べてみるのも良いでしょう。
デジタル名刺での交換にそぐわない事がある
デジタル名刺とはオンライン上で使用できるデジタルデータの名刺です。
EightやCAMCARDなどのデジタル名刺交換・管理アプリでは名刺のテキスト情報が記載されていれば、それを自動認識してテキストとして登録されますが、2024年1月現在、デジタル名刺として登録した際に、QRコードの中身までは自動認識されません。
デジタル名刺交換を考慮する場合は、QRコードに収納したURL等をテキストとしても表記しておく等の対策が必要です。
QRコード入り名刺の作成方法
QRコードのリンク先となるページをつくる
まず、QRコードを読み取った際のリンク先となるページを作りましょう。
WordPressやペライチなどで自分のサイトを作ると良いでしょう。ペライチは無料で使えてプロフィールサイトのテンプレートもあり、初心者でも使いやすいです。
複数のSNSアカウントを見せるためや、メインで利用するSNSの移行やアカウントの変更に対応するため、リンク集を作るのもおすすめです。lit.link等が無料で使えます。
作ったサイトには自分の経歴や実績を載せましょう。
プロジェクトによっては外部に公開できないものもありますので、公開してよい実績なのかは事前に確認が必要です。
QRコードを作成する
リンク先となるページができたらQRコードを作成しましょう。
今回はGoogle ChromeでのQRコード作成方法を紹介します。
【PCで作成する場合】
- Google Chromeブラウザを開く
- 右上にある「︙」マークをクリックし、メニューを開く
- メニューの下部にある「保存して共有」を選択して開く
- メニューの下部にある「QRコードを作成」をクリックする
- 「ダウンロード」をクリックする
- QRコード画像が保存される
【スマートフォンアプリ(iPhone)で作成する場合】
- Google Chromeアプリを開く
- 右下にある「…」マークをタップし、メニューを開く
- メニューの一番下の「Chromeを共有」をタップする
- 「QRコードを作成」をタップする
- 「共有」をタップする
- 「画像を保存」をタップする
- QRコード画像が写真アプリに保存される
SNSアカウント(Instagram)のQRコードの作成方法(スマートフォンアプリで作成する場合)は下記となります。
- Instagramのアプリを開く
- 画面右下の自分のアカウントのアイコンをタップし、ホーム画面に遷移する
- 「プロフィールを編集」の右にある「プロフィールをシェア」をタップ
- 「ダウンロード」をタップ
- QRコード画像が写真アプリに保存される
X(旧Twitter)は近年までQRコードを表示するメニューがありましたが、2024年1月現在ではなくなっています。
X(旧Twitter)のQRコードを表示したい場合は、自分のアカウントのプロフィールページ(https://twitter.com/〇〇〇〇)をGoogle Chromeで開いて上記に記載した手順でQRコードを保存しましょう。
QRコードのリンク先を変えたい場合は?
リンク先を変えられる「可変QRコード」
QRコードは一度発行したらリンク先を変更できないと思っていませんか?
- 新しく会社や個人のサイトを作ったのでリンク先を変更したい
- SNSアカウントを変えたからリンク先を変更したい
- QRコードを読み込んだら新しく作成したリンク集のページに飛ばしたい
そんな場合も可変QRコードならQRコードの画像はそのままでリンク先を変えることができます。
おすすめの可変QRコード作成ツール
可変QRコードを作るならQR1(https://qr1.jp/)がおすすめです。
作成後にリンク先を自由に変更できるのはもちろん、指定した曜日、時間、日付(期間)に応じて、リンク先を自動で切替可能です。合わせて、出力するQRコードのカラーリングや大きさ等を自由に変更できます。
短縮URLがベースとなっているのでQRコードが荒くならない点も魅力です。
また、上記で紹介したGoogle Chrome、InstagramではQRコードのダウンロード形式が限られてしまいますが、QRコードをpng、eps、svgと複数のファイル形式でダウンロードできます。
svg形式は画像を拡大縮小しても画質が劣化せず、自由にカスタマイズできるため名刺をデザインする際に役立ちます。
Webの管理画面で情報を一元管理できることやGoogleアナリティクスと連動したアクセス解析ができるのも嬉しいポイントです。
アクセス数などを数値化したい場合、作成したQRコードの編集ボタンをクリックし、条件の指定の「解析」欄で設定してみましょう。
名刺デザインを作成する
QRコードができたらデザインを作成しましょう。
デザイナーに依頼するパターンとデザインを自作するパターンがあります。
①デザイナーに依頼する
おしゃれなデザインの名刺を作るならデザイナーに依頼するのがおすすめです。
ココナラなどのスキルシェアサービスで「名刺 デザイン」などの単語で検索し、依頼してみましょう。
可愛い名刺デザインが得意な方、モダンでシンプルな名刺デザインが得意な方など、デザイナーによって得意なデザインが変わってくるので制作実績をよく確認し、自分の好みのデザインをしてくれそうなデザイナーを探してみましょう。
依頼する際にQRコードや必要事項を送るのを忘れずに。明確なデザインイメージがある場合は、見積りの際に具体的に伝えることが重要です。
②自作する
名刺デザインを自力で作りたい場合はCanvaやAdobe Photoshopなどのデザインツールを使うと簡単に作成できます。
Adobeはサブスクリプションサービスで利用料がかかりますがCanvaは無料で利用できます。
また、デザインに自信がない方はそれぞれの印刷会社が無料で提供しているテンプレート等を使用するか、名刺作成サイトを使うと良いでしょう。
名刺の内容を入力するだけでそのままスムーズに注文できます。お気に入りのQRコード入り名刺テンプレートを探してみましょう。
例えば、グラフィック社では無料で使えるデザインテンプレートを15種類ほど揃えています。
名刺を印刷する
デザインまで出来上がったらあとは印刷するだけです。
印刷会社に依頼する方法と、自宅のコピー機で印刷する方法があります。
①印刷会社に入稿する
それぞれの印刷会社のサイトから簡単に注文ができます。
印刷が始まってしまうと差し替えができなくなってしまいますので、デザインデータの不備がないかよく確認して入稿しましょう。
②自宅のコピー機で印刷する
サイズに気を付けて印刷しましょう。
自宅のコピー機で印刷する場合、市販の名刺印刷用の用紙を買う必要があります。
市販の名刺印刷用の用紙を購入する際は名刺用のものなのかやどんな紙の質なのか必ずパッケージを確認しましょう。
また、自宅のコピー機で印刷する場合の注意点としては、印刷された名刺を自分で裁断する必要があることです。
QRコード入り名刺の作成料金
デザインから印刷まですべて依頼する場合
QRコード入り名刺はデザインと印刷を分けて依頼することが多くなります。
料金は名刺デザインで約8,000円~20,000円、印刷会社に印刷を依頼して100部で約500~2,000円を目安に考えましょう。
デザインと依頼すると印刷まで行ってくれるデザイナーや印刷会社もあります。
また、ココナラなどのスキルシェアサービスでデザイナーに依頼する場合、デザインの実績を作りたい方などが安価で受けてくれる場合もあります。お願いする人によって価格はさまざまなので比較が必要です。
印刷会社も納期を長めにするとお得になったり、選ぶ紙によって価格が大きく変わってくるのでサイトをよく確認しましょう。
名刺作成サイトで作成する場合
デザイン費も込みで印刷までワンストップで行ってくれるため、印刷会社に印刷のみを依頼する場合よりは割高になりますが、30部で約1,000~3,000円ほどです。
例えば、アーティス名刺工房ではQRコード入り名刺のテンプレートが50種類以上あり、名刺のデザインを選び、内容と必要事項を入力するだけで自宅まで届けてくれます。
デザインは自作し、印刷だけ印刷会社に依頼する場合
基本的には印刷費のみがかかります。ラクスルやパプリ by ASKULなどの印刷会社に依頼する場合100部で約500~2,000円です。
紙の質を良くしたり、箔押しなど装飾をしたい場合はオプションで料金が上がります。
加えて、有料のデザインツールを使用する場合はその利用料がかかります。
また、納期が長ければ長いほどお得になります。急に必要になり割高で依頼することにならないよう、普段から備えておきましょう。
デザインを自作し自宅のコピー機などで印刷する場合
自宅にプリンターがある方は名刺用の用紙をA4サイズ10シートで約400~600円ほどで購入できます。
急に名刺が必要になった場合に検討すると良いでしょう。
名刺にQRコードを入れる際の注意点
QRコードの周囲に余白を作る
QRコードの上下左右には十分な余白が必要です。QRコードのすぐそばに文字やイラストが入っていると、正確な読み取りができないことがあります。
QRコードの大きさにもよりますが、名刺に入れる場合は2~3mmほどの余白も含めてデザインするようにしましょう。
QRコード画像の大きさと解像度に注意する
QRコードの大きさは縦横ともに最低12mm程度にしましょう。
12mmより小さい場合は読み取れなくなったり、読み取りまでに時間がかかってしまう可能性が高いです。
また、画像の解像度は解像度は300~350dpiがおすすめです。Webの画像だと72dpiのものが多いですが、印刷時にぼやけてしまうことがあります。
色やコントラスト、印刷する紙に気をつける
色は視認性を意識した配色を心がけましょう。黄色や薄い色を組み合わせたものは読み取れなくなってしまいます。コントラストをはっきりさせ、読み取りやすくしましょう。
また、光沢紙に印刷すると光が反射して読み取りづらい場合もあります。QRコードを入れる際は紙の種類も気をつけましょう。
印刷する前に読み取れるかのテストを必ず行う
画面上だと実際のサイズがわかりづらいので、必ず試しに実際のサイズで印刷をして、ぼやけていないかやQRコードを読み取れるか確認するようにしましょう。
まとめ
本記事では、
- QRコード入り名刺のメリット
- QRコード入り名刺のデメリット
- QRコード入り名刺の作成方法
- QRコード入り名刺の作成料金
- 名刺にQRコードを入れる際の注意点
を解説しました。
名刺はQRコードを入れることでたくさんの情報を載せられ、その後の関係にも繋がりやすくなります。
今はまだ必要ないかな、と思っていてもいつ必要になるかわかりません。可変QRコードならリンク先をとりあえず仮のものにして、後から精査もできるため、可変QRコードを使って名刺を作っておくのもおすすめです。
無料のテンプレートを使ったり、納期を長めにとって印刷会社に依頼することで安価で素敵な名刺が作れるので、ぜひ検討してみてくださいね。